先日、開創1200年となる高野山(和歌山県)に、法事を兼ねて参りました。
今年の高野山は、金堂の御本尊特別開帳などがあり、大変にぎわっていました。イベント感満載で、誘導員役の高野山高校・大学の学生さんから、高野山幼稚園と思しき小僧さんまでお手伝いしており、大忙しの様子でした。
私が訪問した時間には、百名くらいのお坊さんたちが、列をなして金堂に大集合し読経を行う、記念大法会が開かれていました。みなさん、いい声です。
この読経に、独特の節回しをつけたものが、声明(しょうみょう)です。
■高野山南山進流(なんざんしんりゅう)声明
声明は、古くはインドに伝わる仏教音楽であり、日本には奈良時代から平安初期にかけて、中国から伝来したものです。
現在でも、日々の勤行や各法会で唱えられており、日本音楽の起源とも言われています。
声明の声の出し方は、太く・低い声を発し、口内・鼻腔をはじめ、顔や体の中を反響させて倍音を導く。体全体を楽器として使うのが、ポイントのようです。
以下は、声明の起源に近いと思われるチベット密教の声明です。
人間の限界を超えるような低音で、おどろおどろしく、怪しく、何か人間の根本的なところに訴えかけてくるように感じます。
■チベット声明
(https://www.youtube.com/embed/LXxKdZvTGGY)(リンク切れ)
人は生きている限り、音を出します。
我々の根本は、こういうカオスな音楽なのかもしれません。
(一)