ゴールデンウィークに北海道へ行き、2日目に富良野観光をしました。富良野といえばラベンダー畑が有名ですが、見頃は6月後半からですので、ドラマ「北の国から」のロケ地などを見てきました。
私にとって「北の国から」は、家族や近所の人との関わりがわざとらしく濃く描かれているように感じるドラマで、あまり好きではなかったのですが、実際に田中邦衛演じる黒板五郎の家がある地域を見て、少し印象が変わりました。
五郎が暮らしていた地域は、富良野の市街地から十数キロ離れており、近隣には店はもちろん他の家さえもなく「クマ出没注意」という看板のあるところでした。ゴールデンウィークは富良野のハイシーズンではなかったため、訪れる観光客も多くはなく、パチパチという枯草を踏みしめる音、ざわざわと草木が風に揺らめく音、さらさらと流れる布部川のせせらぎ…、そんな自然の奏でる音がよく聞こえる場所でした。
私は普段テレビや電話、自動車の音など、機械の音に囲まれ、それらにばかり注意を払って暮らしていて、今回富良野で聞いたような、当たり前に存在する音をすっかり忘れてしまっていたことに気付かされました。
五郎の家がある場所はとても静かで、家には家電も最小限しかありません。そこで暮らしていたら人とのかかわり合いは自然と濃くなり、誇張でもなんでもなく「北の国から」があのようなストーリーになるのだな、と思いました。日本版の「大草原の小さな家」みたいなものですね。
都会にいるとキャンプに行ったり有機野菜を食べたりして「自然に親しんだ」という気になりますが、常に自然と共に生きている人は、“親しむ”なんて考えないのだろうなぁ…としみじみ思った一日でした。
ふらの観光協会公式サイト「ふらのindex」TVドラマ・映画のロケ地を巡る
(幸)