世界最小の霊長類であるメガネザルは、長らく鳴かないものと考えられてきました。
ですが最近、メガネザルは天敵にも獲物にも聞こえない超音波の周波数帯域で「会話」していたとの研究が、今年2/8、英国王立協会の専門誌「バイオロジー・レターズ」で発表されました。
ほ乳類では、クジラやネコ、コウモリなどが周波数20キロヘルツ(kHz)以上の超音波帯で音声信号をやり取りしていますが、メガネザルの耳は90 kHz以上の音を聞き取ることができ、70 kHz前後で発声していることが分かったそうです。
※人間の可聴域は、20Hzから20kHz程度です。
高周波数帯での会話には、以下3つの利点があると考えられています。
- サイレントアラーム
天敵に居場所を知られずに警戒音を発したり受け取ったりできる - 盗聴
主食のコオロギやゴキブリ、ガ、等、餌となる生き物が立てる音を聴取し、狩りをする - 対ノイズ
熱帯環境特有の低周波の「ノイズ」やざわめきをフィルタリング(除去)し、会話
ヒトとは違った形で「聞く、伝える」というコミニュケーションの基本をうまく進化させて、大自然の中で生き残ってきたのだなと思いました。
私、フィリピン旅行の際にボホール島で、メガネザルに餌(芋虫)を手渡しであげることができる施設に行ったことがあります。
ちょっかいを出すと威嚇する顔をされましたが、確かに鳴き声はありませんでした。
メガネザルは、夜行性のため、昼間はほとんど眠っています
ですが、餌をあたえた瞬間、俊敏に動作で芋虫を奪い取り、それはそれは凶悪な顔で、頭からガジガジとかぶりつきます。
その顔は以下
このギャップがたまらんファンも多いそうです。
※写真は、私が撮影したものです。
(一)