日本のミステリー?

緊急事態宣言中に皮膚科の病院に行きました。その病院では、患者は全員マスク必須、入口で手をアルコール消毒、受付で検温、待合室に入れるのは診察の順番が近い数人まででそれ以外の人は外で待つ、というコロナ感染防止対策をしていました。その際口角炎も診てもらったのですが、マスクを外している間は「絶対に話してはいけない」と言われました。先生はマスクのみでフェースシールド無しでしたから、話すと飛沫が発生して感染の危険に晒されるので、当然のことだと思います。

 日本は5月末の時点で、欧米に比べて新型コロナウイルスの感染者数・死者数ともに少ない状態です。これについてはワイドショーやネットニュースなどでいろいろな推測がなされていて、欧米のメディアからは日本のミステリー、奇妙な成功などと言われています。「家の中で靴を脱ぐから」「キスやハグの文化がないから」「元々公衆衛生に対する意識が高いから」「BCGを接種しているから」「マスクをすることが定着しているから」「そもそも検査が少ないから判明していないだけ」…等々。どれが正しいのかまだわかりませんが、おそらく全部が影響しているのでしょう。

 私は病院で「話してはダメ」と言われた時、ひょっとしたら日本人が話す時に飛ばす飛沫の量も関係しているのではないかと感じました。来日されていた海外の方々は、とにかく声が大きい。電車の中でも同じ音量で話しているのもよく見かけました(偏見だったらすみません)。そして海外の言語には日本語に比べて唾の飛びそうな破裂音が多いし、アクセントの強調も激しい。大きな口を開いて大きく声を出せばそりゃあ…と思います。大学生の時、第二外国語でドイツ語を履修していたのですが、「R」の発音がなかなかできませんでした。いちかばちか痰を吐くように、のどの空気を強く吐き出すようにしたら、ネイティブの先生に「それです!」と褒められたのを覚えています。日本語にはこういう発音はありませんよね。

 普段は控えめで楚々とした「やまとなでしこ」とは程遠い私ですが、コロナの感染拡大の心配がなくなるまでは自分が無症状感染者かもしれないという自覚を持って、話し方だけは「やまとなでしこ」風に行こうと思ったのでした。

(幸)