ずいぶん昔の話ですが、私が中学生の頃、鉱石ラジオを作って深夜放送に聞き入っていたことを、ふと思い出しました。
AMラジオのモノラル放送なので、決して良い音ではないのですが、自分だけのラジオから聞こえてくるビートルズに感動したものです。
友人の家にはステレオセットがあり、左右のスピーカーから聞こえるレコードの広がりのある音は、何度聞いても飽きない臨場感がありました。
その頃は、周波数特性の良いスピーカー/アンプや、揺れの少ないレコードプレーヤーで、録音に忠実な再生を目指したものです。
それから随分時が流れ、DVDの登場やテレビのデジタル化によって、5.1チャンネルで音が収録されるようになります。
前の3台(左右+センター)、後ろの2台(左右)に加えて、低音専用のスピーカーを使い、更に臨場感のある音に囲まれます。
次に登場したブルーレイは7.1チャンネルとなり、前に3台(左右+センター)、横に2台(左右)、真後ろに2台(左右)+低音専用のスピーカーに囲まれます。
この環境で観るディズニー映画「シンデレラ」は感動ものです。
同じ環境で昔のレコードを聴くと、味はあるけれど、何かものたりなさを感じる一方、昔の感動を忘れることはありません。
比較すると良い音とは言えなくても感動だけは記憶に残る。良い音とはそういうものかもしれませんね。
いよいよ12月1日から4Kと8Kのテレビ放送が始まります。(BS4K8KのWEBサイト)
8K放送の音は22.2チャンネルになるそうです。
さすがに自宅に24個のスピーカーは置けないので、より少ないスピーカーで22.2チャンネルの音を感じることができるのでしょう。
東京オリンピックの新たな感動を、この良い音で味わいたいものです。
(嶺)