南米ベネズエラ発の音楽教育プログラム「エル・システマ」をご存知でしょうか。
青少年を貧困や犯罪から救いたいとの思いから、無償の音楽教育環境を整え、健全な成長を支援する取り組みとして1975年に始まりました。
オーケストラや合唱という集団行動の中で、子供たちは忍耐力・協調性・自己表現力といった社会性を身につけていきます。
つまり、子供を暴力や非行に走らせないために、音楽・楽器・合奏の力が有効と考えられたわけです。
しかも、その音楽水準は決していい加減ではなく、世界を驚かす演奏を披露するまでに至っています。
エル・システマを通して音楽の才能を最も開花させたのは、指揮者グスターボ・ドゥダメルでしょう。
2017年にはウィーンフィルのニューイヤーコンサートにも抜擢され、今後のさらなる活躍が期待されています。
ドゥダメル指揮による演奏「マンボ!」
エル・システマへの参加者は現在では数十万人規模にもなったとのこと。
世界60カ国以上に輪を広げ、日本でも、東日本大震災の被災地である福島県相馬市への支援などをしています。
本家ベネズエラでは、経済危機など不安定な情勢が続いていますが、こうした活動を実現させた誇りを持って乗り越えてほしいものです。
(才)