メニューの話

先日、和製英語の話を聞きました。日本人は「メニュー」という言葉の使い方を間違えていて、本来は「選択肢を表示するためのもの」なのに、献立そのもののことを「メニュー」と呼んでいる人が多いなどと、あるアメリカ人が言っていました。

ところで、「メニュー」という言葉はそもそも英語ではなく、フランス語なのに、英語圏の人はその意味を説明するのにふさわしいか、少々疑問に思います。それを聞いて、言葉というものは使っていくうちに我が物のように思えてくるものだなと感じました。

そういえば、フランス料理の普及とともに「Menu」という「献立表」が世界中で使われるようになったとき、各国でウ・ウムラウトの発音が「ユー」や「ウ」に変わっていきましたが、それを聞いて違和感を覚えた人は多かったはずです。「こうだよ」と、唇を尖がらせて説明しようとするフランス人の姿を想像してしまいます。ただし、更にさかのぼるとラテン語がフランス語やイタリア語等に変化していたときも、同じようなことが起きたのでしょう。

ということで、日本人は「メニュー」の意味や発音を自由に選んでも良いような気がしてきました。ただし、いつも選ぶだけではなく、メニューにない新しいものを創造することも大事だということを忘れてはいけませんね。

(桜)