言語とグローバリゼーション

一説では、現在世界中で約7,000の言語が話されているそうですが、ペンシルベニア州スワースモア大学の言語学部教授デービッドハリソン氏の説によると、地球上の人口の約80%近くが、そのうちのわずか23言語(仮に主要言語と名付けます)を使用しているそうです。そして、主要言語を話す人の比率は近年増加傾向にあるそうです。

それは、現在、大半の言語(仮にマイナー言語と名付けます)は地球上の人口のうち、ごくわずかな人々によって使われているらしいのですが、グローバル化、都会化の影響によって、これらマイナー言語を使っている人々が、より支配的な主要言語を習得して使用し始めることにより、今、14日に1つの割合でマイナー言語が消滅していっているそうです。
1年間で26言語という計算になります。このままの状況が変わらずに続いていくとすれば、後10年したら2,600言語が地球上からなくなっているということになります。

グローバリゼーションが世界の人々にもたらす恩恵に関しては言うまでもないことですが、一つ一つの言語と共に当然存在しているであろう歴史や文化を考えると、それらが、言語とともに失われていくことに一抹の寂しさを感じます。

さて、日本語はと言いますと、40年後の日本の人口は9千万人を割り込むと予測されていますので、日本語を話す人はそれだけでも減少傾向です。さらに昨今の日本経済の停滞も手伝ってか、最近では諸外国、特にアジア圏においては、一頃の日本語学習ブームが去り、日本素通り論さえ囁かれています。そんな中、日本語が主要言語の一つとしてそのポジションを維持できるように、そして、2050年代の日本が明るい元気な国でありますように、諸外国に多方面で日本ファンを増やし、日本語人口を増加させる努力が必要なのではないかという気がします。

(摸)