マザリーズという言葉をご存じでしょうか?
英語で書くと motherese。母親をあらわす mother に ese という接尾辞がついています。Japan(日本)に ese がつくとJapanese(日本語)。mother(母親)に ese がつくとmotherese(母親語)となります。
マザリーズは、母親が赤ちゃんに語りかけるときに特徴的な話し方で、どの言語にもみられます。
マザリーズには、以下の4つの音声的特徴があります。
- ピッチ(声の高さ)が高くなる
- 抑揚が大きくなる
- 話す速度がゆっくりになる
- 同じ言葉を繰り返す
赤ちゃんは、大人に話しかけるような平坦な落ち着いた話し方よりも、ピッチの高い、抑揚の大きい話し方に反応します。どうも、赤ちゃんの耳は普通の大人の声の周波数域よりも少し高い周波数域の感度が高いようです。
母親は赤ちゃんに話しかけて無反応でも、反応がかえってくるまで繰り返し話し続けます。そして繰り返し回数がふえるにしたがって、声のピッチが高くなり抑揚が大きくなります。
実はマザリーズは、親子関係の基礎を築き上げるための重要な手段なのです。
最近の研究で、産後うつの母親は平坦な口調になりマザリーズが出ないことが分かってきました。また、マザリーズなしで育った子供は自閉症になりやすいということも指摘されています。
新米のお父さんたち、fathereseを練習して、子育てに積極的に参加してみては?
(太)