みなさん、オンド・マルトノとは一体何か、ご存知だろうか?オンド・マルトノとは、1928年にフランス人チェリストで電気技師でもあったモリス・マルトノによって公開された電子楽器のこと。私は先日、ある方のお誘いでそのリサイタルへ行くことになった。
昨年秋に、この音のソムリエで、最古の電子楽器として「テルミン」が紹介されている(1920年ソ連のテルミン博士が発明)が、それに遅れること若干数年、フランスにも電子楽器が登場していたことになる。
オンド・マルトノは、テルミンと比べるとかなり複雑な構成。
- 鍵盤がついた小さなオルガンのような本体
- 両面に弦が張られた蓮の花びら形状のパルムスピーカー
- どら内臓の中型メタリック・スピーカー
- その他、音を増幅するためのメイン・スピーカー数台
演奏者は、これら数種類のスピーカーの音のバランスを演奏しながら手元で操作し、リアルタイムで音を作っていく。メロディーの響かせ方、音の震わせ方を演奏しながら手元のトゥッシェ(調整用ボタン)で自由にコントロールできるため、電子楽器でありながら、非常にアナログ感覚に満ちた、「音響をプロデュースする楽器」と言われるそうである。
フランスの音楽美学者ジゼル・ブルレが「魂を奏でる電子楽器」と評しただけあって、聞いている人を幻想的な音の世界へ導いてくれる。但し、私のようにリサイタルなど芸術的香りのする活動とは普段全くかけ離れた生活を送っている者には、この楽器が出すシンプルな単音が、どうしてもお化けが登場するときの効果音にしか聞こえないのだった。
「オンド・マルトノ」(フリー百科事典 ウィキペディアより転載)
オンド・マルトノの演奏風景(YouTubeから)
(摸)