「エアチェック」

今日は学校が終わったら、まっしぐらにうちへ帰る。
なぜなら、軽音楽をあなたにでピンクフロイドをエアチェックするため。
エコーズ、ノーカット。しかも山本さゆり。
午後の授業はうわのそらだった。

エアチェック。。。
なんのことはない、FMラジオの音をカセットテープにラジカセで録音することです。(書いたまんまですけど) 貸しレコードもハイファイもなかったので、音源はもっぱらFMラジオでした。貸しレコードが始まったのが1980年ぐらいらしいので、つまり、それより前の話。

補足させていただくと、軽音楽をあなたには当時のNHKFMの音楽番組で、ブリティッシュ、アメリカン、ロック、ジャズ、フュージョンなどジャンルを問わず非クラシックの音楽をほとんど毎日特集していたものです。ピンクフロイドはブリティッシュロックのバンド、エコーズは曲名でなぜか20分以上もある長い曲だからノーカットであることがポイント。山本さゆりはひいきのDJ。

そのころはFMラジオで音楽アルバムをほとんどそのまま流すという、今では考えられないようなことが公然と行われていた良い時代だったので、ほとんどどんな音楽でもエアチェックさえすれば好きなだけ聴けたのです。ただし、カセットテープがケースに引っかかって回らなくなったら終わり。

塾もなかったので、時間はたっぷりあった。軽音楽をあなたにが午後6時に終わったら、そのまま田中正美のビート・オン・プラザになだれ込むので合計3時間はひとりでラジオにかじりつくことになる。よくまあ大人しく聴いてたものです。親も楽。

さて現在、首都圏は広いからか電波も弱いし、CD買うし、うちにはあまりいないしで、エアチェックはおろかFMラジオからもすっかり遠ざかってしまっていたのですが、先日気になる番組を見つけました。ウィークエンドサンシャインといって、初めて聴いたそのときはアレサフランクリンをぶっ通しで、ピーターバラカン氏が薀蓄を傾けながら流してました。土曜の朝、だいたいいつもはアセトアルデヒド漬けなので、今後これは番組ごとエアチェックすればいいんだな。

(也)