ピアノが楽しく思えたとき

小学生の頃に習っていたピアノ。先生が気分屋だったこともあり、レッスンの時間がとても憂鬱で早々にやめてしまいました。嫌いだったピアノですが、ペダルを踏んで曲を弾けるようになったときの嬉しさだけはよく覚えています。

ピアノの3つのペダルのうち、一番右のペダル(ダンパーペダル)は音量を大きくさせ、響きを豊かにする効果があります。「ダンパー」は音を消す部品で、鍵盤を押すとハンマーが弦をたたいて振動させるのと同時に、ダンパー・ワイヤーを持ち上げます。逆に鍵盤を離すと、ダンパーがおりて弦の振動を止めて音が消えます。ダンパーペダルを踏むと、ダンパーが弦から離れて戻らなくなるので、鍵盤から指を離しても弦の振動が長く続いて響くという仕組みです。

音が響くのが楽しく、上手く弾けたようになった気分になるので、楽譜にペダル記号がかかれていない部分でも、やたらとペダルを踏んで幼ながらにピアノを弾く自分とその音に酔っていた気がします。それに、背が小さいと足がペダルまで届かないので、少し大人になった気分を味わえるんですよね。

今では「ねこふんじゃった」も弾けるか怪しいほど遠ざかっていますが、実家に帰った時は久々にふたを開けて、ペダルを思い切り踏みながら小学生時代に戻ってみようかと思います。

(柏)