私たちはコミュニケーション手段として、「音声」を毎日使っています。「音声」は「韻律(いんりつ)」と「語音(ごおん)」という2大要素からできています。
ここでは、この「韻律」と「語音」について紹介しましょう。
◆「韻律」
「韻律」とは、音声の強さ・長さ・高さ、さらにそれらの反復によって作り出される言葉のリズムのことです。
「韻律」は、呼吸のうちの呼気(こき)つまり吐く息で作られます。その呼気が、俗に言う喉仏(のどぼとけ)の中にある声帯を振動させます。声帯を調整することで、この振動の強さ、長さ、高さが変化し、音声の「韻律」が作られます。
◆「語音」
「語音」とは、言葉を組み立てている部品である母音と子音のことです。各語音の音色の違いは、声道の形の違いにより作られます。声道とは、声帯から唇まで約17cmほどの長さの管のことです。声道の形は、舌・唇(くちびる)・顎(あご)・口蓋帆(こうがいはん:俗に言う「のどちんこ」)などを動かすことで変化します。声道の形が変わると、その共鳴特性が変化し、音の音色が変わるわけです。
「韻律」「語音」とも、日本語、英語、フランス語などの言語によらず同じ仕組みで作られますが、その変化のさせ方は、言語によって大きく違っています。また、スムーズなコミュニケーションが成り立つためには、「韻律」の方が大切であると言われています。
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参考文献
杉藤美代子(1995):『大阪・東京アクセント音声辞典CD-ROM』解説篇(丸善)
NHK(1985):『日本語発音アクセント辞典』新版(日本放送出版協会)
松村明(1998):『大辞林第二版』(三省堂)