アメリカの大統領選挙の時期になり、毎日のように候補による演説や熱狂的な支持者がニュースを賑わせていました。
ただ、今回はウイルス感染の影響があり、その受け止め方が前と少し変わっていました。
例えば、大勢の支持者が密集して大きな声で騒いでいる様子に違和感を感じるようになったのではないでしょうか。
そもそも、SNSの普及に伴い、演説というものが時代遅れに思えてきました。それにウイルス感染という事情が加わったことで、「しゃべる」行為そのものに負のイメージがついてしまった側面があります。
しかし、声はやはりもっとも自然なコミュニケーションの手段です。声には文章で表せない「パラ言語」(意識的にコントロールする抑揚など)という微妙な情報が含まれていますが、それは極めてアナログであり、コンピュータより動物に通じやすいことがあります。
文章にはパラ言語がないため、それを補うために表れたのが「絵文字」です。より直感的にその時の気分を伝える方法として自然に生まれたものです。
ただ、今後は文字によるSNSが限界に達し、音声が見直されると思います。最終的に、豊かなパラ言語的な要素を付与して音声を合成したり、人が発する自然な音声のパラ言語情報を理解するための技術が必要になります。パラ言語というものを改めて絵文字と関連付けて、より豊かな表現方法が生み出されれば面白いですね。
(桜)