弦音

弦音(ツルネ)と読みます。

弓道で、矢を放った際に、弦が弓の上部(関板や姫反など)を打つ音で射の良否を判断する1つの目安になります。
(先頃までNHKでも高校弓道を舞台にした「ツルネ」というアニメが放送されていました)

正しい準備で正しい射を行えた場合、「カン」や「キャン」といった高く短い音を発し、的中します。
悪い射では、「バシャン」と低く濁った音がでます。
的中しても弦音が悪いと気持ちよくありません。

中には「ボン」という低いベースのような音を目指している方もおられます。
「ボン」という陰の音から、的に当たる「パン」という陽の音になるべきとの事。

和弓は、世界で最も長い弓であるため、正しい弦音を発するには道具と力の入れ方のバランスが非常に重要となります。

弦輪の大きさや弓と弦の幅などの準備をしっかりおこない、射の運行においては弓を左右均等に押し引きし、上下左右のバランスをとります。
緩まず引っ張らず、正しい離れにいたると、弓と矢が暴れず、望ましい弦音が響きます。

弦音の音色は、弓の種類や個体差の影響もあります。
その音色にこだわる方も多く、弓を選ぶ際の選択条件の一つにもなります。

こちらは同一の射手が、異なる銘の弓で放った弦音です。

1)竹弓(Y)
2)竹弓(M)
3)カーボン入り(N)

まだまだ引っかかった感じで、よろしくありません。
それでも、たまに正しく良い弦音が出ると爽快です。

特に空気の乾燥した、この冬の時期は固く高い音が出やすく、冷たく張り詰めた空気を破り、清々しい気分となります。
弦音が魔を払う神事にも使われることが納得できます。

[参考:鳴弦の儀(坪井八幡宮)](https://osaka-info.jp/page/tsuboihachimangu-setsubunsai)(リンク切れ)

皆さんの近隣の神社でも、弓矢を使った神事が行われているかもしれません。
一度、調べてみてはいかがでしょう。

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