「梅に・・・」

暖かい日と寒い日が交互になってくると、体調管理も気になりますが、春の訪れを感じますね。冬の終わり・春の始まりを感じさせるトップバッターは、(花粉という意見もありそうですが)目を楽しませてくれるという点で、梅でしょうか。

梅といえば、ウグイス。過去の記事にも、たびたび話題として取り上げられています。
「春の音」
「うぐいす」

目を楽しませてくれるのが梅で、耳を楽しませてくれるのがウグイス。と言いたいところですが、都会育ちの私は、残念ながら今までそうした場面に出会ったことはありませんでした。ウグイスの声を聞いたのは、主に初夏のころの藪深い登山道などです。姿はわからなくても、よく通る声で鳴いています。

最近になって知ったのですが、ウグイスは主に虫を食べること、警戒心が強いことから、見通しのよい梅の木にとまることはあまり考えられないようです。「梅にウグイス」と呼ばれる鳥の実体は、メジロではないかという話があります。

メジロは、花の蜜を吸うので、実際に梅の木にもよくやってくるそうです。そしてその体の色は「ウグイス色」と言いたくなるような緑色。一方、ウグイスの体の色は、もっと茶褐色がかっているのだそうです。目撃する可能性が高いうえに、梅との色合いの取り合わせも、メジロのほうがいかにも風情がありそうな気がします。でも残念ながら、ホーホケキョとは鳴いてくれません。

現実味があるのは、梅にメジロなのに、言葉として定着しているのは、梅にウグイス。なんとなく、言葉の響きとして心地よいせいでこうなったのでしょうか。「ウグイス」という名前をつけてもらえなかったメジロの恨みが聞こえてきそうです。今度「梅にメジロ」を見かけたら、彼らの名誉のために、きれいにカメラに収めてあげたいと思います。

(栽)