先日参加した勉強会で「売れる音楽には視覚・聴覚・触覚が含まれている」という内容がありました。 ”音楽”に視覚や触覚が含まれているというのは何か奇妙な気がしますが、学んでみると納得です。
まず、前提として、人の思考パターンは、視覚系、聴覚系、触覚系の3パターンに分けられます。
例えば、ものを考える際には、
・視覚系の人 ⇒ 頭の中で映像を思い浮かべる
・聴覚系の人 ⇒ 頭の中で文章を思い浮かべる
・触覚系の人 ⇒ 頭の中で感覚・気持ちを感じる
という感じになります。
したがって、視覚系の人にいくら口頭で説明しても効果が薄いし、聴覚系の人にいくらきれいな写真を見せても効果が薄い。相手の思考パターンに沿った手法を取ることがコミュニケーション効率を高めるということです。
この辺の詳しい話は、最近日本でもNLP(神経言語プログラミング)関連の本がたくさん出ているのでそちらに譲ります。
ポイントは、視覚、聴覚、触覚の全てに訴える音楽が、多数の人の支持を集めやすいということです。
音楽では”聴覚”にしか訴えられないのではないかと思っていましたが、そうではないようです。
音の性質によって、視覚的な印象を与えるビジュアルビートや、体を包み込むような印象を与えるキネスティックビートがあります。実際に音楽を聴きながら、「この音がビジュアルビートだ!」とかを教わってみましたが、言われてみると確かにそんな感じです。
で、大ヒット曲を何曲か分析すると、確かに3つの感覚に訴える音がバランス良く入っていました。
歌詞についても同様で、大ヒット曲の歌詞には、視覚、聴覚、触覚に訴えかける内容がバランス良く盛り込まれていました。
例えば、かぐや姫の神田川だと、
・視覚系 ⇒ 「赤い手拭い マフラーにして」
・聴覚系 ⇒ 「小さな石鹸 カタカタ鳴った」
・触覚系 ⇒ 「洗い髪が芯まで冷えて」
といった感じ。
ただ難しいのは、音の性質をちゃんと区別できるようになるには、耳を鍛えなければならない、というところ。
講師の先生は、ちゃんとしたスピーカー以外で音楽を聴くのは避けている、とのことでした。当然MP3はもってのほかで、CDも避けているそうです。
一流の感覚を身につけるというのは大変ですね。