前回に続いて、今回は「金管楽器」の話です。トランペットやトロンボーン、ユーフォニウム、ホルン、チューバなどが金管楽器です。
前回、サックスのように、金属でできていても「木管楽器」に分類されるものを挙げました。サックスと金管楽器の違いは、音を出す方法です。金管楽器では、自分の唇を振動させ、その振動を楽器の管の中に吹き込みます。
口を閉じたまま、口の中の空気を無理やり押し出そうとすると、「ブーッ」と唇が震えます。金管楽器では、口に当てた「マウスピース」の中でこれを発生させて、音を出すのです。前回説明した「リード」の代わりに、自分の唇を振動させているわけです。ところで、金管楽器で「マウスピース」と言えば、口の中に含むのではなく、口に当てて音を送り込むものを指します。
金管楽器で、音程を変えるにはどうしているでしょう?これには2種類の方法があります。
(1)唇の振動を変える。口元をコントロールすることにより、より高い音の振動、または低い音の振動に切り替えます。
(2)楽器の管の長さを変える。管の長さを短くすると高い音になり、長くすると低い音になります。トロンボーンでは、自分で管の長さ自体を変えます。そのほかの楽器では、楽器に「わき道」の管がいくつかあって、レバー(バルブ)の操作によって長さを切り替えます。
この2通りの方法を組み合わせて、様々な音階を実現しています。
最後に、金属でできていないけれど、同じ方法で音を出しているものをひとつ。古来、合図などで用いられている「ほら貝」です。上記の楽器と同じく、唇の振動が音の発生源になっています。
(栽)