「音風景」

日本の音風景100選が、環境庁によって集められていることをご存知でしょうか? 「残したい日本の音風景100選」 に全国各地の音風景が紹介されています。冒頭に、「日常生活の中で耳を澄ませば聞こえてくる様々な音をみなさんに再発見していただくこと、良好な音環境を保全するために地域に根ざした取組を支援することを狙いにしたものです。」と謳われています。素晴らしい自然環境・文化を残していく中で、合わせてその風景を構成する音も是非残っていって欲しいものです。

ところで、100選に選ばれた音の種類ですが、一番数の多かった音は何でしょう?答えは、鐘の音(13件)でした。次は川・海の音、虫や鳥の鳴き声、お祭りの音といった音が選ばれています。さすが日本人の感性というべきか、文化ですね。ちなみに、横浜の音風景もありました。横浜は自然の音ではなくて、大晦日の船の汽笛の音。港横浜をトータルにイメージでき、横浜らしくていいなって感じですね。

ちなみに私個人の懐かしい音風景は、まだ田舎にいた頃、この時期の田んぼで一斉に鳴く蛙の声です。夜もずーっと鳴き続けてうるさかったこと、懐かしい。しかもこの蛙、殿様ガエルではなく牛ガエル(あの大きなカエルです)でした。低い声でぐーっぐーっと鳴く感じです。当時は少年だった自分には、騒音に聴こえた音も、今は懐かしく、田園風景という文化的にも意味がある音だったんだなと振り返りつつ、音の意味も背景によって大きく変わるものだということをつくづく感じるものです。

牛ガエルの鳴き声(50秒)

(鈴)