声を「見る」、「触る」

みなさんは声を見たことはありますか? また触ったことはありますか?声を見ると言っても最近流行の科学マジックとまでは行きませんが、皆さんが良く使うパソコンで声を見ることができます。簡単な方法は、WindowsのSound Recorderで録音して、波形(波のようにぎざぎざしたグラフ)を見ることができます。波形で見ることができるのは、声の時間的なつながりと音の強弱(大きい・小さい)です。更に声が高いとか低いとか、はっきりした声とかざらざらした声とかを見たい場合には、周波数分析を行って、スペクトログラムを作ります。これはいわゆる声紋と言われるものです。このスペクトログラムを見ると、どんな高さの音が混じりあって声が出ているのか、よーく見えます。

声を触るというのは、一体どういうことでしょう? 答えは簡単です。ちょっと大き目のスピーカのコーンの部分に指先を当ててみてください。指先に振動を感じるはずです。健常者の方は何も声を触る必要は無いかもしれませんね。しかし聴覚障がい者の方が、発話を憶える際には、昔は風船を膨らませて、先生が風船に口をつけてしゃべった声を、肌で感じると言ったようなこともやられていたのです。また失語症のリハビリテーションでは、脳への五感を使った刺激をということで、アニモの「花鼓Ⅲ」では、「振動子」を開発して、声を触ってもらうことでリハビリの効果を高めることを行っています。

参考に「花鼓Ⅲ」第3段階の話ことばの練習で使用されている”振動子で日本語が持つリズム・イントネーションを感じ取れる”訓練音声をお聞きください。

*音声内容->”あつあつスープ”

(鈴)