海の上の内緒話

先日、逗子の海でシーカヤックを体験してきました。カヤックは、水をかくブレードが両先端についたダブルパドルを使用する船のスポーツ。よくカヌーと混同されますが、こちらはシングルパドルを使用する点で区別されます。

さて、もともとカナヅチということもあり、海に入ったのは10数年ぶり。生まれて初めて着たウェットスーツでテンションを上げつつ、冬の海へと漕ぎ出でました。泳ぎに自信がないものにとって、フェリーやヨットではなく自力で沖に出るのは夢のまた夢。しかし、カヤックのように浮いた状態でパドルを操作するものならばそれも可能に。どんどん遠くなる岸部を振り返りつつ、うれしくて楽しくて、どんどん沖へと漕いでいきました。

インストラクター1人と体験者3人で、つかず離れず海の上を進んでいたのですが、途中ふと気が付いたのが、ある程度距離があっても、お互いの声がとてもクリアに聞こえるということ。音を遮るものがまったくない状態で、さらに私たちの他に音を発するものがなかったからなのかもしれませんが、大きな声を出さなくても、10メートル近く離れた相手に自分の声がはっきり伝わるというのは、不思議な感覚でした。音の聞こえ方が少し違うことで、普段街中にいるときとは違った人との距離感を体験することができました。

おかげで「腕が疲れて岸まで戻れるかな」なんて友だちにぼやいた声まで、しっかりインストラクターに聞こえてしまったのですが…。海の上での内緒話は禁物のようです。

(瑠)