新型コロナウイルスの流行により、不要不急の外出を控える必要が生じている中、友人たちと「オンライン飲み会」を行っています。それぞれの自宅から、音声でチャットができるソフトウェアで接続して、飲み会を行うというものです。
映像を伴わず、音声だけで行うこともあるのですが、不便な印象はありません。面識のない人が参加していたときも、顔がわからなくても、話し方から人柄をかなり感じられました。飲み会のコミュニケーションでの、声のウェイトの大きさを実感しました。
オンライン飲み会の、通常の飲み会との大きな違いとして、声の位置関係がないことがあります。
通常の飲み会は、人数が多くなったらテーブルが分かれます。遠くの人の声は聴こえません。近くの人の中でも、ところどころで分断し、数人ずつ会話するかたちになります。一方、オンライン飲み会では、すべての参加者の声が均等に聴こえます。常に全員が、全員に向かって話すことになります。
そのため、通常の飲み会でよく行う、大人数の集まりの中で、近くに座った数人と話し込み、ときどき席替えをして話し相手を変えるというスタイルは、オンライン飲み会では困難です。これは、大きなコミュニティの中でまだあまり話せていない人と親しくなるきっかけとして機能します。オンライン飲み会でも、参加者自体を少人数にしぼることで、話し込むことはできますが、まだあまり話せていない人といきなり少人数の飲み会はやりづらいです。
一方、常に全員と会話するオンライン飲み会の強みもあります。個々の話題について、常に大人数の知恵が集まるのです。少人数でがんばって話をつなげる必要がなく、その場その場で、知識のある人や、何かを思いついた人が発言するようになります。結果として、一人一人の発言の量は減りますが、話の内容は濃く、おもしろくなる傾向を感じています。
オンライン飲み会のその他の特性として、パソコンで行うことが多いことと、チャットのソフトの機能で、参加者が対象のテキストのチャットを同時にできることがあります。
そのため、話題になっているものについてその場でWebで調べることや、参加者に見せたい画像やWebサイトのURLをテキストのチャットに貼り付けて紹介することが快適に行えます。
スマートフォンなどが普及して、通常の飲み会でも外部の情報を確認しながら会話することが増えましたが、オンライン飲み会の方がずっとやりやすいかと思います。
今までの普通のことができない日々が続いていますが、その状況下での新しい体験からの発見を、大切にしたいと思っています。
(祐)