東京五輪に向けた準備がいろいろと進んでいます。
ここ横浜でも、野球やサッカーなど一部競技が開催される予定ですし、海外からの来訪者も増えたり、メディアに注目される機会も増えると期待しています。
ところで、戦前に計画されて開催されなかったという「幻の東京五輪」に縁のあるものが、横浜に今でも残っています。
それは、「響橋」という名前の橋です。
国道1号(第二京浜)の上という、人目につく機会の多い場所です。
幻の東京五輪で、マラソンコースの折り返し地点となることを予定して建設されたものです。
シルエットも印象的で、これまでに「かながわの橋100選」や「横浜市歴史的建造物」に認定されたのに加え、昨年には「土木学会選奨土木遺産」に認定されました。
「響橋」の名称ですが、美しいアーチ部分に音が反響することから名づけられたそうです。
現代では、下を通るのはもっぱら車で、その反響音では味気ないことになりがちですが、「響橋」という名前自体に味わい深いものを感じます。
先人たちのそうした感性に思いをはせる機会としても、これからも大切に使われていってほしい限りです。
(才)