尺八の用語で「音味(ねあじ)」という言葉があります。
音味は、30年以上の熟練者でも出すことが難しく、言葉では定義しがたいそうです。
私の調べた範囲でまとめてみると「音の強弱が自然で、むら息ときれいな音、緊迫感とやわらかな空気が混然となり、軽く吹いているのに底力を感じさせる」音とのこと。
ちなみに「味をきく」というのは大阪弁だそうです。
私の地元(愛媛)でも「味をきく」言うので、大阪地方だけで使われているとは限らないと思いますが、一般的には「味は見る(味見)」と表現されるのではないかと思います。
きく(聞く/聴く)は、デジタル大辞泉によると以下:
- 音・声を耳に受ける。耳に感じ取る。
- (聴く)注意して耳にとめる。耳を傾ける。「名曲を―・く」「有権者の声を―・く」
- 話を情報として受け入れる。
- 人の意見・要求などを了承し、受け入れる。
- (「訊く」とも書く)尋ねる。問う。
- 感覚を働かせて識別する。
①(聞く)においのよしあしや種類を鼻で感じ取る。においをかぐ。
②(「利く」とも書く)酒の味のよしあしや種類を舌で感じ取る。味わい試す。 - 当てて試してみる。
- 釣りで、当たりの有無を確かめるために、仕掛けを引いたり軽く竿を上げたりしてようすをみる。
音味は、2番、あるいは6番の意味ですね。
だんだんと秋らしくなる今日このごろ、日本酒をききながら日本古来の名曲に耳を傾ける良い季節になってきました。
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