「うれしいひなまつり」

3月3日はひな祭り。
ひな祭りの歌というと、「♪あかりをつけましょ、ぼんぼりに」で始まる「うれしいひなまつり」がおなじみです。
作詞:サトウハチロー、作曲:河村光陽、昭和11年に発売されました。もっと古い歌なのかと思っていました。

「祭り」の歌なのに、しっとりして情緒たっぷり。美しくも物悲しげなメロディーではないですか。
昔、我が家に飾っていた雛飾りの側面にはオルゴールが埋め込まれていて、ネジを巻くとあのメロディーが流れました。巻きたての時は高らかに鳴っているのですが、ネジの威力が最後の方になってくるとゆっくり弱々しくなっていき、曲の途中で鳴り止んだりすると、もう寂しさ倍増です。
子供にとっては日本人形自体がただでさえちょっと不気味な上に、あのオルゴールの音色。あまり祭りの気分は盛り上がりませんでした。(だけどおいしい桜餅が食べられるのは喜んでいましたが)

この曲、みんなは悲しいと思わないのだろうかと疑問に思っていたら、1960年代にラテングループのトリオ・ロス・パンチョスがこの曲に他の詞を付けてカバーしていました。
タイトルはなんと、「哀れなみなしご」。
ちょっと、ずいぶんだなぁと思いましたが、彼らにはそんなタイトルの歌ができるほどに悲しく聞こえたんですね。トリオ・ロス・パンチョスの曲は哀愁漂うものも多いので(ベサメムーチョとか)、選曲としては違和感はないような気がします。当時メキシコで発売されたアルバムに収録されているらしいので、一度聴いてみたいものです。

(津)