先月は運動会が開催されたところが多かったのではないでしょうか。この「運動会」が、実は日本オリジナルのイベントであることを最近知りました。一見、陸上競技大会やスポーツ大会のようですが、よく考えてみますと、変な競技(?)がたくさんあります。パン食い競争、スプーンリレー、二人三脚、大玉ころがし、玉入れ、棒倒し、組み体操、フォークダンスなどなど。
運動会の発祥は、明治29年に初代文部大臣の森有礼が、横浜の外国人居留地で陸上競技会を見て、体育教育に有効と考え、全国の学校で「運動会」を催すよう訓令を出したことによるそうです。ただ、具体的な内容までは指定しなかったため、各地域の事情に合わせ、お祭り等と一緒に行われ、地域イベントとして成立していったという経緯があり、その過程で住民参加型の様々な「競技」が生まれたようです。
ところで、運動会で特徴的なのは、なんと言っても「音楽を流すこと」ではないでしょうか。BGMを流しながら競技を行うなんて、運動会ならでは、ですよね。特に、運動会でよく使用される有名なこの曲、日本以外ではほとんど知られていないとか。(近年、日本製のゲームで使われたことから、逆に海外でも知られるようになっているそうです。)
ヘルマン・ネッケ作曲「クシコス・ポスト」 [quoted from Free-scores.com] (40秒)
(元は2拍子のピアノ曲ですが、運動会用の実用CD集などでは、小オーケストラ+ドラムスによって8beatで若干ポップス調に演奏されているのが可笑しい。)
最近は、住民参加型の伝統的スタイルの「運動会」は減る傾向にあるそうですが、陸上競技大会でもなくスポーツ大会でもない、万国旗はためく日本考案のこのイベントが牧歌的に続くといいな、と思います。
(佐)