ガキの頃は、走ってきた車の種類を、音だけで当てられるような、牧歌的な時代だった。
まだそんなに車は多くなかったので、騒音規制もゆるかった。ガソリンエンジンもまだまだ黎明期の雰囲気を色濃く残し、いろいろな方式のエンジンを各社が競っていたから、音にもずいぶん特徴があった。
現在のモーターハイブリッド車など、走ってくることに気がつかないほど静かなので、隔世の感がある。
ガソリンエンジンにどっぶりと浸かって育ってきた世代としては、アメ車の318cui V8のドロドロした音とか、フェラーリF1のV12エンジンの咆吼とか、何とも郷愁をそそられてしまう。
こういう古い世代は、エンジン音のことをエギゾーストノート、などと言ったりする。そういえばエギゾーストノートを収録したレコードなんていうのも売られていた。当時は、ロールスロイスは静かで音が録れないので、玉砂利の上を走った音を録っていたりした。今ではロールスロイスよりプリウスの方が全然静かだ。
日本より自動車文化の長いヨーロッパでは、エンジン音に対するこだわりが強いのか、F1の騒音規制もまだだいぶゆるく、F1はサーキットで相変わらず爆音を響かせている。最近ではルノーF1 V10エンジンの歌、”We are the Champions”も話題になった。
一方、モーターハイブリッド車のような無音の車は道を外していると思う。人間同士だって、近づいていくときは「やぁどうも」とか声をかけながら近づいていくのがコミュニケーションの基本だ。黙って近づいてくるやつはよからぬことを考えていると相場は決まっている。
ハイブリッド車が「どうもどうも、ちょいと通りますよ。」とか言ってくれれば、未来もずいぶん明るいかもしれない。:-)
↓エンジン音が紹介されているサイトがあります。
[フェラーリ F430](http://arena.nikkeibp.co.jp/col/20060224/115586/index2.shtml)(リンク切れ)
[MAZDA](http://mtnomura.web.infoseek.co.jp/mazdasound.html)(リンク切れ)