「リマスタリング」

昔発売されたレコードがCD化されることがよくあります。人気歌手などは、同じアルバムでも違うCDとして何度か発売されたりしますが、それぞれ音質が違うなと感じることがあります。

レコードをCDにする場合、アナログのマスター音源を単にデジタルデータに変換するだけではなく、リマスタリングという作業を行っています。
映像作品の場合は、褪せた色を鮮やかにするなど、「修復」という意味合いが強いのですが、音楽の場合は、それとは少々事情が異なります。
音楽作品のリマスタリングは、最新の機材と技術とを用いて、過去の音源を現代的な(好まれる)音質や雰囲気にする、と説明されています。

リマスタリングの効果で最もわかり易い変化のひとつは、音量とクリアさです。
登場初期の80年代後半のCDは、今よりも音がおとなしめで大きさも小さく感じられますが、最近のCDでは、音圧レベルを最大に持ち上げて、低音から高音まではっきりと聞こえるようにメリハリを付け、躍動感を出しているようです。

ただ、リマスタリングにおいて「音がよくなる」というのは、音の物理的特性云々よりも、音楽作品として聴感的に質が上がる、といった感覚的な面で語られる範疇のもので、リマスタリングに携わるスタジオのエンジニアの感性や技量によって名盤になったり台無しになったりするというのですから、責任重大な仕事と言えるでしょう。

[ビートルズの聴き比べをしているファンのレポート]
(http://www.thebeatles-1.com/euuslp_CapitolAlbumsVol1.html)(リンク切れ)

同じ曲のCDを買うことはなかなかないと思いますが、昔買ったCDを引っ張り出して、今の自分の耳で確認してみるのもいいかもしれません。

(佐)