「夏の音色」

私が子供の頃には、夏になるとあちこちの家の軒先に風鈴が揺れていましたが、最近はめっきり減ってしまいました。エアコンが普及して、室内は涼しくなり、また防犯のために窓を開けっぱなしにすることも少なくなったからでしょうか。

私がなじみ深いのは、まるいガラス製のいわゆる江戸風鈴です。金魚などの絵柄も涼やかですね。風鈴の材質にはガラス以外に、真鍮、アルミ、木などが使われるほか、南部鉄器、備長炭、火箸などによる趣向を凝らしたユニークな物もあります。

風鈴が風に揺られて、チリリ~ンと鳴る音に耳をすますと、なんとも時間がゆったりと過ぎてゆくように感じられます。
実はあの「チリリ~ン」という音色には高周波領域の音が含まれています。高周波音は、自律神経を整えたり脳を活性化させるなど、さまざまなリラックス効果があるといいます。小川のせせらぎや小鳥のさえずりなど、自然の中のいわゆる「癒し」の音にも、同様に高周波音が含まれています。

夏の夜には、一日の疲れを風鈴の音に癒してもらうのも良いですね。

風鈴の音(30秒)

(津)