「音響外傷」

「音響外傷」?聴きなれないことばですね。

映画やコンサートで大きな音が流れると、その後「キーン」という音がずっと聴こえる耳鳴りが起こり、短期的に音が聴こえにくくなることがあります。これを「音響外傷」といいます。誰でも一度は経験があるのではないでしょうか。

私は、昔、頻繁にこの症状がでて悩まされたものですが、最近はあまりならなくなりました。また、音の大きさに関係なく治りが早かったり、逆に遅い時もあります。何故でしょうか。

人間の耳は、もともと小さな音でも聴き取りやすいような構造をしているため、逆に大きな音が入ってきたときに鼓膜が振動しすぎないよう調整する耳小骨の筋肉があります。この筋肉が反応しきれない「突然」のタイミングで大きな音を聴くと音響外傷になりやすいようです。つまり「これから大きな音が流れる」ということが前もってわかっていれば、耳小骨の筋肉も緊張するので、音響外傷になりにくいのです。最近症状がでにくくなったのはこのためかと思われます。

人間の耳の精密さには驚かされますが、さすがに長時間大音量を聞いていると緊張も続かなくなり、音響外傷になるようです。ボリュームの上げすぎには注意しましょう。また、疲れていたり、お酒を飲んでいるときも、耳小骨の筋肉の反応は鈍くなり危険とのことです。ライブ会場での飲酒は控えたいと思います…

(課)