「ささやきの壁(回音壁)」

近くの人にささやいているつもりが、音の反射の影響で遠く離れた人にも聞こえてしまうという「回音壁」という大きな壁が北京市内の天壇公園内にあります。

天壇公園は世界遺産の一つとして万里の長城とともに観光客にもたいへん人気のある所です。

さて、回音壁とは、上から見ると直径30mくらいの円形をした巨大な壁です。写真は壁の外側から見たもので、曲面になっているのが分かります。

壁の内側には塔と離れの棟がふたつ東西に「コ」の字型に建てられています。片方の離れの裏に立ち、壁に向かって喋ると、その声がその丸い壁で反射を繰り返して反対側の離れの壁の付近でも聞こえるというものです。反対側の壁の近くにいる人は直接見えないのですが、音は伝わっていくというものです。壁そのものが硬くて表面が滑らかなことと、正確な円に近い形になっていることがポイントのようです。

私もさっそく試してみました。

家族に反対側の壁のそばに立ってもらい、携帯電話で連絡しながらタイミングを計って喋ってもらいました。だいぶ大きな声をはりあげたみたいですが、残念ながら私の耳には聞こえませんでした。なにせ、人気のある観光地ですからその日も多くの観光客が壁の近くに立って、私達のように大声で声が響くか試していました。そのために、音がうまく反射しなかったということもあるでしょうが、雑踏の音にかき消されて聞こえなかったのが最大の理由でしょう。余談ですが、中国では非常に声の大きい人が多いようです。

本来はささやき声でも会話ができるというこの壁。
どんな響きで聞こえるのか私の好奇心をくすぐります。
懲りずに次回は寒い冬の早朝とか、人の少なそうな時に試してみようと思います。

(均)