「韓国の音の銀行」

知識産業は21世紀の注目の産業です。その知識産業の一つとして文化コンテンツを挙げることができますが、その文化コンテンツは文化原型(つまり歴史、説話、文献資料など)をもとに開発したもので、幅広く用いられています。日本も韓国も事情は同じだと思いますが、一つ異なることがあって、紹介したいと思います。

「デジタルコリアルーツ」が開発した『韓国の音(ソリ)の銀行』がそれです。
ソリ銀行は音の産業別の活用範囲の拡大を目的に、1989年から15年間アナログテープとDAT, 6mmデジタルカメラで資料を集めました。その中から、面白くて独特な素材の音と韓国文化の優秀性を反映している音を対象に選抜し、デジタルコンテンツとして体系的に整えています。固有の音と現代の電子音で作られた音は、5600編(聞く音5000編+見る音600編)のデジタルコンテンツとして構成されていて、ドキュメンタリー、TV spot、着メロ、効果音、伝統文化の海外広報など幅広く活用されています。
ソリ銀行は大きく以下の四つに分けられています。

1. 伝統文化に登場する音
2. 口伝民謡に登場する音
3. 説話に登場する動物と自然の音
4. 近来の音とその他(ワールドカップの応援の音など)

そこで、気になる“聞く音”と“見る音”とはなんでしょうか。
“音”とは、聞くことだけだと考えるのが普通ですが、聞くだけでは理解できないもの(伝統に関心がなくなり、人々の記憶から音が消えていったもの)が多いため、HD高画質カメラで撮影した映像とテキストを見る音として提供しているものです。

我々の日常生活は様々な音に包まれています。
自然の風景のように精神を清らかにする音がある反面、自動車のクラクションのように気に障る音があります。それに、時間の流れと共に我々の記憶からなくなりつつある音もあります。それが、当然なのかもしれませんが、昔のものを無くすことは伝統を失ってしまうような気がして残念極まりません。
音にも国籍と伝統があって、いい伝統は守るべきだと私は思います。
ここで、みなさんが聞いたことのない韓国の伝統の音を紹介したいと思います。

                      ダドゥミ
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speaker

ダドゥミの音

この音は、人々が綿や麻などの自然繊維質に依存していた時代に、韓国では洗濯物にのり付けをしてそれが乾く前に二人が向かい合って座り、両手で布を引っ張って畳んでから、棒で叩いてしわを取る行為からなる音です。この作業は夕方頃から夜中まで行われたもので、韓国の風俗の一面を表すものであります。この音は懐かしく暖かい音で、聞いていると癒されます。

みなさんにも聞いて癒される音がありますか?

(喜)