喉元過ぎれば熱さを忘れる

前回のブログでラジオについて読み、思い出したことがありました。

2011年3月11日の東日本大震災の際、私は東京ビッグサイトに出かけており、電車が止まって帰れなくなったため、大勢の偶然居合わせた人々とともに有明のホテル大広間で朝を迎えました。そのホテルにたどり着くまでは、東京中心部や神奈川方面へのバス停に並んで来ないバスを待ってみたり、駅の構内に新聞紙を敷いて座ってみたりしていました。
当時はみんなガラケーを使っており、携帯でテレビを見たりラジオを聴いたりして情報収集できる人は少数派だったと思います。通話もなかなか繋がらず、公衆電話には長い列が出来ていました。

地震からだいぶ時間が経って暗くなり、一向にバスが来ない状況で、首から小型ラジオを下げた60代くらいの男性が言いました。「ラジオによると川崎から向こうは電車が動いているらしい。俺は川崎方面に歩いて行くけど、誰か一緒に行く人はいますか?」。確か20時頃だったと思います。私は一緒には行きませんでしたが、災害の時にはやっぱりラジオだなと感じ、その後ラジオを聴くことのできる小さなiPod shuffleを購入しました。震災で家に帰れない体験をした人は「ラジオを携帯しよう」「会社に歩きやすい靴を置いておこう」「非常食を持ち歩こう」「携帯の充電器を持ち歩こう」など、その人なりの災害の備えをしようと決意したと思います。

あれから10年以上経ち、今もそれを続けている人はどれだけいるのでしょうか。私も歩きやすい靴を履くことだけはしていますが、スマホでラジオが聴けるからいいやとiPod shuffleが壊れた後ラジオは買っていません(でも、スマホの充電器は持ち歩いていないという…)。スマホ一つでできることは増えましたが、逆を返せばスマホが駄目になったら何もできないということ。地震・水害・感染症・他国からのミサイル攻撃など、あの時より被災の可能性が高まっているからこそ、備えをしっかりしなければと思いました。

私もラジオ買おうかな。。。

防災ニッポン 2022年6月22日の記事
話題の持ち歩き用「防災ボトル」を作った!水に強くてこれだけ入る
https://www.bosai.yomiuri.co.jp/article/6494

(幸)