先日ネットで「枕草子を関西弁で読むとよく分かる」という記事を見ました。
「春はあけぼの。やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる」
試しに自分でも読んでみると、なるほど しっくり感じます。
確かに当時は、関西弁のイントネーションに近かったのではと思いました。
標準語のアクセントだと、「ハ’ルワ、アケボノ」 ※春はあけぼの_標準語.wav
関西弁だと、「ハル’ワ、アケボノ」 ※春はあけぼの_関西弁.wav
でしょうか。
実際には、当時の発音は、どんなものだったのでしょう。
平安時代初期、ハ行は現代のファ行(φ)にあたる無声両唇摩擦音で発話されていたようです。
またハ行音が「ワ」になるのは、平安中期から後期のこと。
以下のような感じでしょうか。
「ファルファー、アケボノ」 ※春はあけぼの_平安.wav
現在でも、東北方言や琉球方言の中に、ハ行をファ行で発音するものもあるようです。
・東北:「髭」を「フィゲ」、「蛇」を「フェビ」
・琉球:「花」を「パナ」、「人」を「ピトゥ」
既に言語自体が違っている気もします。
国立国語研究所によると、方言と言語の違いは、聞いてなんとかわかるのが方言。
わからないのが「言語」とのこと。
https://kotobaken.jp/movies/mini_lecture/mv030
ユネスコの定義では、日本国内には、日本語以外に以下8つの言語があるそうです。
①アイヌ語,②八丈語,③奄美語,④国頭語,⑤沖縄語,⑥宮古語,⑦八重山語,⑧与那国語
これらはすべて消滅危機言語です。
民族統一という考え方が背景でしょうか、利用を禁じられた時期があり消滅が加速化したようです。
国際情勢をみても、まさに今、そういった侵略がなされている地域もあります。
ウクライナ憲法(第10条)は、以下の記載があるようです。
・国はウクライナ領土全域にわたる社会生活の全分野においてウクライナ語の包括的発展と
機能化を保証しなければならない。
ウクライナで話されているその他の諸言語は憲法での保護が保証される
自らの文化・ルーツを守りつつ、多様性を認める素晴らしい条文と感じます。
(一)