楽器の練習や音声の収録を行う場合に、防音室をよく使います。
「防音」とは、音の漏れを防ぐことですが、「防音」するためには何をしないといけないのでしょうか?
漏れる音には、壁を通りぬけて漏れる音と、壁や床が振動して漏れる音の2種類があります。「防音」をするには、これら2種類の音の漏れを防がないといけません。
(1)壁を通りぬけて漏れる音を防ぐ
壁を通りぬけて漏れる音を防ぐには、「遮音」を行います。
「遮音」とは、音を壁の表面で反射させる、あるいは壁の内部で吸収させて、音を遮ることをいいます。「遮音」するための材料には、コンクリート、鉄板、鉛などがあります。
反射によって「遮音」を行うと、部屋内部の反響が非常に大きくなってしまうため、「吸音」を行って反響を減らします。
「吸音」とは、音を反射せずに吸収してしまうことです。「吸音」するための材料には、グラスウールやロックウールなどがあります。
(2)壁や床が振動して漏れる音を防ぐ
壁や床の振動を防ぐには、「防振」と「制振」があります。
「防振」とは、楽器などの振動を壁や床に伝えないようにすることを言います。
「防振」するための材料には、ゴムマットやフェルトなどがあります。
ただ、100%の「防振」は不可能で、どうしても振動は壁や床に伝わります。
そこで「制振」を行います。「制振」とは、壁などを伝わる振動を短時間に減衰させることをいいます。「制振」するための材料には、鉛シートなどの重量で振動を減衰させるものと、制振シートなどの振動を熱に変換して減衰させるものの2種類があります。
防音、遮音、吸音、・・・、用語を曖昧に使いがちですが、明確に使いたいものです。
(太)