「音を偽装?する」

トヨタ「プリウス」に代表されるハイブリット自動車。最近の燃料費高騰をうけて法人等の営業車として需要が伸びているそうです。ガソリン代を節約でき、燃費が良いので温暖化防止に役立つ。良いこと尽くめに見えるハイブリット自動車ですが、実は思わぬ盲点があります。

ハイブリット自動車は低速走行時には主に電気モータの力を活用します。電気モータはエンジンに比べるとごく小さな音しか出しません。これを歩行者の立場から考えると、音もなく1tからの鉄の塊が忍び寄って来ることになります。で、車の接近に気づかずに触車事故に至るケースが増えているのだそうです。特に高齢者や視覚障がい者が危険にさらされています。また健常者でも背後から接近されると、通常の車より気付きにくいようです。

ある自動車メーカーでは、電気モータにエンジン音を付加する実験をしているそうです。いわば「音を偽装している」わけです。

この「音の偽装」、実は意外なところで実用化されています。

横浜のある私鉄では一部の車両で駅を発車する時に♪ドレミファソラシド~と音階のような物が聞こえてきます。これは、この車両に搭載されているモータの音を少しでも心地よく(?)感じられる様に、わざと音のピッチを変えているんだそうです。

静か過ぎるが故に、あるいは耳障りであるが故に、本来とは違う音にする。人が聴覚から得ている情報の重要さを認識させてくれる、面白い現象だと思います。

(裕)