「仮想現実音(バーチャル・リアリティー・サウンド)」

かつてまだ映画という物が珍しかった頃、機関車や車がこちらに向かって走ってくるシーンで、観客がパニック状態になり逃げ出してしまったというような話があります。現在でも大きな画面で車同士のバトルであるヒートアップしたカーチェイスや戦闘機の迫力あるバトル・シーンを見せられると、車酔い、船酔いに似た感覚を味合うことはありませんか?こうした人工的な空間であたかも現実空間のような感覚を人間に体感させることが仮想現実(バーチャル・リアリティー)という世界なのです。

この仮想現実を構成するものの一つに、音があります。普段何気なく聴いている音楽に、風景や背景のサウンドをトッピングすると、そこには全く別の空間が生まれ、驚くほど音楽の表現が豊かになり、忘れかけていた感動や心地よい安らぎ、今まで体験した事のない興奮がこみ上げてきます。音を平面で捉えるのではなく、音の左右、奥行きは勿論の事、音の鳴っている場所で、ある音源の高さや距離、その方向性までも明確に表現すれば、その感動は大きくなります。

ここ最近、感性の時代と言われますが、バーチャル・リアリティー技術は、快適な音環境の創造を数値シミュレーションで予測し、コンサートホールと同じように感じられる空間を、任意の部屋や自動車室内などで再現します。みなさんがこの技術を体感される日も決して遠くはないと思われます。近い将来、普段何気なく聴いている音はさらに改善され、研究され、スピーカーから出る音は、勿論、仮想現実音の方が心地よいという製品がここ数年で開発されるかもしれません。

愛するおばあちゃんの声を常に3Dで聴ける「バーチャン・リアリティー・サウンド」があれば、最高です。オーマイグッドネス!

(忠)