「ことば」は通信でいうプロトコル(通信規約)です。元来、各部族内で自然発生的に発生した話しことばのプロトコルが、部族と部族の間で共通化が繰り返され、最終的に現在の「ことば」ができたと考えられます。すなわちいろいろな方言が規格統一され標準語というものになったわけです。標準語が変化して訛ったものが方言だと思われていますが、実はそうではありません。
しかしながら、日本語の話しことばには統一規格としての標準語がありません。恐ろしいころにプロトコル仕様書がないのにみんな平気で通信している状態です。東京地区で多く話されている言葉が標準語ではないかと思われているだけす。この状況は、日本語を勉強する子供や外国人の方には大変な障害になっているのではないかと思われます。
さて、標準語とは別に共通語という用語があります。共通語というのは、ある方言を話す方が別の方言を話す方にコミュニケーションするために使う言葉で、東京で話されている言葉に近い言葉です。共通語は、個人ごとにすこしずつ違っています。東京には、大阪訛りの方、名古屋訛り方などたくさんいらっしゃっいますが、特にお互いの方言を勉強することなく普通に会話をしています。これは、皆さんが共通語を話しているから可能になるのです。
(太)