夏の音(3)

夏の甲子園(全国高校野球)が始まり、はやベスト4が出揃いました。毎日、熱戦を繰り広げる甲子園球場は、古くから高校球児あこがれの夢の大舞台として、今も変わることはありません。惜しくも予選で敗退し、その大舞台に立つことが出来なかった球児らの夢も背負い、代表校の選手らは、その一球一球に青春をかけているのだと思います。

甲子園と言えば、その風物である「ウゥーーーー」というサイレン音が思い浮かびます。試合開始のサイレンは「いざ、プレイボール!」。君たち代表校の熱き魂を見せてくれ、と言わんばかりのけたたましさ。試合が終了した時は、「よくぞ戦った。勝ったものも、負けたものも、互いの健闘を称えあおう」というように聞こえます。

サイレン音:

甲子園のサイレン音が特徴的なのは、サイレンが止まってからの残響音の長さです。サイレンが完全に鳴り止まぬうちに、先頭打者が初球打ちで塁上に立つことも珍しくありません。

一説によると、このサイレンは、一般型のサイレンとは異なる機械で、大きな球場内に高らかに響き渡るように、特に高音域(音響周波数1400Hz)の音がよく出る設計となっているようです。くわえて、円筒形を施した甲子園球場のアルプススタンドで「こだま」して、相手校へのエールとなって、互いの健闘を称えあっているようにも聴こえます。

さぁ、今年の全国高校野球選手権大会の頂点は果たしてどこなのか、最後の最後まで目がはなせません。

(松)